バイオアーキオロジー(生物考古学)に関する国際シンポジウムのお知らせ

 

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本年10月末から11月初頭にかけ、メキシコのユカタン自治大学と金沢大学の共催で、国際シンポジウム「III Coloquio Internacional de Bioarqueología」が開催されます。

 本シンポジウムは今回で3回目を迎える国際バイオアーキオロジー(生物考古学)討論会であり、今年は考古人骨の細密な発掘から埋葬環境、腐敗の過程を詳細に復元する「アーキオタナトロジー(Archaeothanatology)」にテーマを絞っての開催となります。討論会では、マヤ地域を中心としたメソアメリカ各地の最新発掘情報だけでなく、アンデス地域の先スペイン期における人身御供の実情や、昨今Yahoo!ニュースなどマスコミでも話題になったアステカの「ツォンパントリ」、最古のアメリカ人「ナイア」などにつきましても、最新の知見を直接共有して頂ける予定です。

 その他にも、様々なワークショップや学生の方に向けたポスターセッション等が予定されております。

 遠方メキシコでの開催とはなりますが、一般の方、自然人類学、考古生物学等関連分野ご専門家の方、もしご参加に興味おありの方がいらっしゃいましたら、是非下記の連絡先(鈴木真太郎)までご一報くださいますようお願いいたします。

 皆様のご参加心よりお待ちしております。

 

開催場所:          

メキシコ、ユカタン州メリダ、ユカタン自治大学人類学部

 

開催期間:         

ワークショップ 2018年10月28日から11月1日

公開討論会 2018年11月2日から11月3日

 

講演者(予定):  

Henri Duday教授(ボルドー大学、フランス)

Gregory Pereira教授(パリ第一大学、フランス)

John Verano教授(テュレーン大学、米国)

Oswaldo Chinchilla教授(エール大学、米国)

Andrew Scherer准教授(ブラウン大学、米国)

James Chatters氏(Applied Paleoscience社、米国)

Cristina Vidal教授(バレンシア大学、スペイン)

Tom Booth氏(ロンドン自然史博物館、英国)

Linda R. Manzanilla教授(メキシコ国立自治大学、メキシコ)

Raúl Barrera氏(テンプロマヨール発掘調査団、メキシコ)

Vera Tiesler教授(ユカタン自治大学、メキシコ)

鈴木真太郎 (グアテマラ、デルバジェ大学/金沢大学)

 

主催:                  

金沢大学人間社会研究域附属国際文化資源学研究センター

カタン自治大学人類学部バイオアーキオロジー研究室

グアテマラ、デルバジェ大学考古学人類学研究センター

 

後援:                  

Alianza Francesa

Centro de Estudios Mexicanos y Centroamericanos (CEMCA)

 

連絡先:

鈴木真太郎(ssuzuki*uvg.edu.gt)(*は@を挿入)

カタン自治大学によるスペイン語のWebページ

http://www.antropologia.uady.mx/programas/arqueologia/bioarq/coloquioPresentacion.php

金沢マヤシンポジウム 第2回 開催決定

昨年に引き続き、古代メソアメリカの研究会を開催します。

コパン王朝創始期の考古学的研究、理化学分析による年代研究、歯牙装飾を素材とする生物考古学、文化財保護・活用にかかるパブリック考古学など多岐にわたる分野の発表に加え、大学院生の発表を企画しました。

発表者・参加者との議論を通じて、国際文化資源学の今後を考えます。

 

参加費無料、事前申込不要。

 

題目:金沢大学人間社会研究域附属国際文化資源学研究センター 中米ユニット研究会

(金沢マヤシンポジウム 第2回)

日時:2017年11月15日(水) 10時から17時(予定)

会場:京都文化博物館別館2階講義室(〒604-8183 京都市中京区三条高倉)

内容:

1.発表者:市川彰
発表題目:放射性炭素年代測定データからみたメソアメリカ南東部の社会過程:チャルチュアパを中心に
発表要旨:放射性炭素年代測定の技術発展が進み、少量の試料で、安価かつ迅速に絶対年代データが得られるようになった。これを受け各地域の編年および社会過程の再考が進んでいる。本発表では、メソアメリカ南東部の指標編年のひとつであるチャルチュアパ遺跡とその周辺遺跡で蓄積された放射性炭素年代測定データを精査し、メソアメリカ南東部の社会過程を再検討する。


2.発表者:村野正景
発表題目:エルサルバドル考古学の課題と挑戦 〜「第一世代考古学者」の提案から〜
発表要旨:学術と現代社会とのより良い関係構築は、世界的な案件である。これについて本発表では、エルサルバドル考古学の事例を取り上げ、いまどんな課題があり、どんな挑戦をしようとしているかを検討する。同国では、国内での考古学者の育成が進められ、2000年に初の卒業生がでた。その世代は「第一世代」と呼称され、同国考古学を牽引する。そこで彼らの言説や提案から同国での問題意識や方向性を把握し、具体的な実践のあり方を考えたい。

 

3.共同発表著者鈴木真太郎、Vera Tiesler、Andrea Sandoval、Héctor Mejía

 発表題目:古代メソアメリカにおける埋め込み式歯牙装飾の起源について:グアテマラ共和国エスクイントラ県、レイノサ遺跡からの考察

 発表要旨:前歯列に翡翠等の輝石を埋め込む様式の歯牙装飾は、メソアメリカ古代文明を代表する文化的肉体変工の一環である。マヤ文明圏、特に古典期において、最盛期を迎えると言われているが、その「起源」ともいうべき先古典期における報告は極めて少ない。このような状況下、本発表ではレイノサ遺跡出土の新たな事例を紹介する。放射性炭素の測定により、同考古人骨群の時系列が先古典期前中期(紀元前1000年〜800年頃)まで遡ることが既に判明しており、黄鉄鉱を埋め込んだ本事例は、メソアメリカ全域において現在知られているおそらく「最古」のケースである。

 

4.発表者:中村誠一

発表題目:コパン王朝創始期の再検討-コパン考古学プロジェクトPROARCOの新発見と新解釈-

発表要旨:マヤ王朝史の中でも一番解明されていると言われるコパン王朝史。しかし、よく検証すると紀元426/427年の王朝創始期前後から紀元後550年前後の時期まで不明な点がたいへん多い。2016年に7年ぶりに再開されたPROARCOは、この謎の時期に関する数多くの重要な発見を行いつつあり、17年前に発見され当時は6世紀半ばの人物であるとされた10J-45「王墓」の被葬者が、実は王朝創始期の人物であった可能性を追求している。

 

連絡先:

研究会内容について:

金沢大学人間社会研究域附属国際文化資源学研究センター

中村誠一

sntikal*staff.kanazawa-u.ac.jp(*は@を挿入)

 

会場について:

京都文化博物館

村野正景

m-murano*bunpaku.or.jp(*は@を挿入)